今更ながらNIPTを「命の選別につながる」という批判に対しての反論

今更ながらNIPTを「命の選別につながる」という批判に対しての反論

NIPTにつきまとう「命の選別」

NIPTについて色々と調べているとよく出てくるのが「命の選別」という言葉です。例えば、ダウン症の子供を育てる親の会の方がインターネット上でこんな批判をしていたのでご紹介します。

いま、命のはじまりでの“選別”と“生命操作”が、急速に進行しようとしています。
出生前診断は、多くの障害者や家族が当たり前に地域で生活している事実や、女性の心身に大きな負担を課す側面があることも周知されないまま、一般社会に広がり続けています。

(中略)

宿った命の質を選別するのが「出生前診断」なのです。この「命を操作する」というとんでもなく暴力的で傲慢な行為が、益々、社会に「生まれて良い命」と「不要な命」を作り出し、差別と偏見を助長すると考えられ、その行為に対し、強く反対します。
www.jicl.jp/hitokoto/backnumber/20190715.htmlより引用)

生まれてきた命に罪はないので出産前に赤ちゃんがダウン症(21トリソミー)やエドワーズ症候群18トリソミー)などの先天性疾患を抱えているのがわかったからといって親の判断だけで中絶するのはおかしいという論調です。こうした批判の多くは「授かった命に優勢も劣勢もない」という論調です。

確かにおっしゃっていることは間違いありません。命に優勢も劣勢もありません。実際にダウン症とわかっても出産して育てているご家族の方もたくさんいます。その判断を間違っているとは思いませんし、素晴らしいと感じます。

それに声を大にして言いたいのは「中絶を決意した方は安易な気持ちで決断したわけではない」ということです。

妊娠中絶は誰よりもお母さんが精神的苦痛を味わう

先ずハッキリとさせておきたいのは中絶をすると一番精神的に傷つくのがお母さんです。いつまでも心にずっとのしかかってくるのもお母さんです。

妊娠初期の段階で中絶をすれば肉体的な負担はほとんどありません。翌日から今まで通りの生活が送れます。

しかし精神的にはどうなのか? パートナーやご両親、友人ならば気にしたことがあるかもしれません。関わりのない人は「平気だろう」と思うでしょう。実際に今までのように過ごせますし、研究においても中絶は女性の精神的健康に害を与えないと結論づけています。

果たして本当にそうだと思いますでしょうか? 

実際に現場で診療している産婦人科の先生は「子供を失う喪失感や胎児をおろした罪悪感が生じ、次回は妊娠できるだろうかと不安になる」「中絶手術は女性にとって大きな選択で、うつ症状や情緒不安定を引き起こす可能性がある」と話しています。そして妊娠中絶後の精神的な問題の要因としては、中絶に対する否定的な態度、パートナーからの中絶のプレッシャー、悲しみや疑問など中絶に対する否定的な反応などによって起こりうる可能性があります。

また、意図しない妊娠後に人工中絶を行った、または出産した女性を対象に、25歳まで追跡調査をした研究では中絶または出産後、その後の精神疾患または自傷行為のリスクは一緒という結果も出ているのです。

彼女たちは犯罪をしたわけではありません。中絶が罪などという法律はどこにもありません。母体保護法でも中絶に関しては第14条にこう記載されています。

(医師の認定による人工妊娠中絶)
第十四条 都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
一 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
二 暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫かんいんされて妊娠したもの
2 前項の同意は、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなつたときには本人の同意だけで足りる。
elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0100000156より引用)

つまり人工妊娠中絶手術を受けたからといって法的な責任に問われないということです。

実際に「上のお子さんに障害がある」親御さんたちが次回の妊娠で相談にきても「上の子を産まなければよかった」という親御さんはいないそうです。障がいがあったとしても育っていることに感謝をしています。しかしもし次の子が障がいとあったとしたら中絶を決断される方もいます。それはご自身の体力や社会全体のサポート体制が整っていないといった理由だけではありません。

もし自分が死んだ後に子どもたちだけになったらどうなるのか?を考えて泣く泣く諦める人もいます。NIPTを「命の選別につながる」と批判する人は、障がいを持つ人が住みやすい社会を作れていない現状に対していう方が先だと思います。

どうしてNIPTの段階で中絶をしていはいけないの?

NIPTは日本で導入された当初よりも検査の精度が上がってきています。始めたころは偽陽性が多くて確定検査が必要でした。それが各検査会社が努力をして精度を上げていったのが大きいといえます。

これはボク個人の考えですけど、異なる検査会社でNIPTを受けて結果が同じならば確定検査は受けなくてもいいのではないでしょうか?

それは前述したようにNIPTの精度が上がったのと検査会社ごとにアッセイ方法(検体の存在、量、または機能的な活性や反応を、定性的に評価、または定量的に測定する方法)が違うからです。

例えば、NIPTを受けてから認可施設だと結果が出るまで2週間かかります。そこで陽性と出たら認可施設ならば「羊水検査(絨毛検査)を受けてください」と勧められるでしょう。
何せNIPTは非確定診断です。はっきりと先天性疾患があるとわかったわけではありません。だから医師は「まだ決まったわけじゃないから確定診断を受けましょう」と答えるでしょう。

しかしながら考えてみてください。先述したように中絶手術は女性に精神的な負担がかかります。それは自分で決断したとはいえ、お腹に宿った我が子を殺してしまったことと周りの中絶に対する否定的な態度、パートナーからの中絶のプレッシャー、悲しみや疑問などによるものが大きいといえます。

その前に「もう一度検査を受けてみましょう」と言って、羊水検査や絨毛検査を受けてみました。それから結果が出るまで二週間もどんな気持ちで待てばいいのでしょうか。とても不安で夜も眠れないと思います。

それなのに結果が陽性だとしたらどうでしょう? 

そしてNIPTから羊水検査(絨毛検査)の結果が出るまで認可施設だと約一ヶ月もかかります。認可施設のほとんどはNIPTを受けられるのは妊娠10週目以降です。結果が出るのは妊娠12週だとしても、その後に羊水検査や絨毛検査が受けられるのは妊娠15週目以降です。そこから結果が出るのは妊娠17週目になります。

中絶手術は母体保護法によって「妊娠22週未満」と定められているため、妊娠21週6日までにしか行うことができません。 そこまで決断しないといけない状況になります。十分な時間が確保できているとは思えません。しかも中絶手術は妊娠週数が早ければ早いほど肉体的な負担は軽く済みます。妊娠17週までいくと肉体面もサポートしなくてはいけません。

そんな状態で中絶するかどうかを決めるなんて難しいと思います。他人事だから軽く言っているようしか思えません。

だから違う検査会社のNIPTを受けて同じ結果が出たならば確定検査を受けなくてもいいと考えたのです。精神的なケアや肉体的なサポートをするのに時間が必要だからです。

一番大切にしなくてはいけないのは患者さんの意思

どうしてもボクが今回言いたかったのは「大切にしてほしいのは患者さんの意思」だということです。

NIPTを受ける妊婦さんには個人的な事情があります。その環境や言葉に寄り添ってできるだけベストな答えを導くのが医療現場でやっていることです。それを安全地帯から「命の選別につながる」などと安易に言うのは止めてほしいと思います。

確かに認可施設にも無認可施設にも問題点はあります。大事なのは精度の高い検査を提供し、早期に安心と決断をできる環境づくりだと思います。検査の前には遺伝カウンセリングをしっかりと行って、早く検査悔結果を出し、安易に羊水検査や絨毛検査を勧めなくてもいいように精度の高い検査を複数の検査会社に依頼すること。そして陽性が出たとしても、妊婦さんの決断を少しでも早くできるようカウンセリングや適切な情報を出してあげる体制を整えておくことだと思います。

それができているのは、知っている限りだと東京のミネルバクリニックだと思います。ミネルバクリニックは無認可施設でありながら染色体の専門家である臨床遺伝専門医の院長が自らカウンセリングを行い、患者さんが納得するまで説明をした上で検査を行います。検査の精度も陽性的中率が100%で偽陰性がゼロと高く、基本検査以外にも患者さんのニーズに合わせてメニューが選べます。

しかも、もし陽性が出たとしても臨床遺伝専門医である院長が自身の携帯番号を教えて24時間連絡可能となっています。事前の遺伝カウンセリングすらまともにできない無認可施設とはまったく違いますし、アフターフォローが弱い認可施設にもないサービスです。

これだけフォローされているNIPT検査施設を見つけるのは難しいかもしれません。

「相談してみたいけど東京じゃあ遠くていけない」「新型コロナウイルスに感染するのが怖いから初めての場所に行くのは怖い」と思う方にも相談できるように「オンライン診療」も対応しているそうです。忙しい向けに土日診療もやっています。

もしNIPTを受ける医院をお探しなら是非ミネルバクリニックに電話してみてください。

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