
NIPTを調べてて、なんか違うんじゃないの?と思うことがあり、今回は新型出生前診断がなにゆえ新型なのか、につながる「出生前診断のリスクと誤解について」をまとめてみます。
出生前診断のリスクとは?
NIPTはなぜ「新型」出生前診断なのか?
ねっとサーフィンしていると、このページを目にしました。
出生前診断には大きく分けて2種類があります。非確定的検査と確定的検査です。このうちの非確定的のほうには母体へのリスクがありませんが、確定的検査にはわずかながらにリスクがあります。確定的のほうには羊水検査と絨毛検査があり、羊水のほうでは0.3%の確率で、絨毛のほうでは1%の確率で、破水や流産の危険性があります。
と書かれています。
これ。ひっかかっちゃいました。
リスクは母体ではなく、「流産」されてしまうのは赤ちゃんなので
赤ちゃんにとってリスクがあるかないかということなんですよね。
NIPTが新型出生前診断と翻訳されるからには、なにか「新しい」ことがあったということですよね?
新しいのは、「侵襲がない」つまり「無侵襲出生前診断」な点なのです。
だから。新型出生前診断という用語はマスコミが作ったものらしくて
医学的には正式には無侵襲出生前診断と呼ばれているそうです。
*ネットにある研究計画書をみてもそうなっています。
なので。赤ちゃんにとってのリスクの有無で分類されているんですよね。
今、ネットにはいろんな情報が氾濫していますが
やっぱちゃんとした情報を掲載してほしいですね!
minerva-clinic.jp/nipt/cgc_nipt/what-is-non-invasive/
僕がきちんと理解したのも、このページを読んだからで。
やっぱ、専門家、それも専門医は違うな、って思います。
ボクも素人なりに情報発信するからには、ちゃんと調べて正確にできるように頑張らないと
と決意を新たにしました!
侵襲的出生前診断のリスクとは?
羊水検査
母体のおなかから子宮の中に針を刺し、
赤ちゃんが包まれている羊膜に穴を開けて羊水をとって検査します。
だいたい妊娠15-16週以降で行います。
実は、この検査、日本ではほとんどできなくなっているようで、アメリカに出してるんですね。
驚きです!!
羊水穿刺のもっとも一般的な合併症として破水です。
羊水穿刺後に水っぽいおりものがあるときは、羊水漏出、破水を疑うそうです。
だいたい羊水穿刺の1%程度、つまり100人に一人で
1週間以内の羊水漏出が認められるそうです。
入院して治療すると1週間以内に羊水漏出がとまるようなので
一般的な予後は悪くないといえるでしょう。
一方、穿刺を機に羊水感染が一度おこると
ほとんどの場合は感染性流産となるようです。
羊水感染は0.1%と頻度は低いようです。
絨毛検査
絨毛というのは胎盤の一部で、それを採取して検査するのが絨毛検査です。
じゃあ、どうして赤ちゃんのことを知りたいのに絨毛検査をするのか?というと
赤ちゃんが胎盤を作るからなんですって!!
いや。びっくりですね!
あんなにちっちゃいのに、自分で胎盤作るなんて。感動ですね!
絨毛検査は妊娠10~13週頃に行うようです。
まずは超音波検査で赤ちゃんの発育状況や、超音波でみえる異常がないかを調べたり
胎盤の位置を確認したりします。
絨毛検査の方法は2つあります。
お腹からさす方法、膣から刺す方法です。
どちらにするかは、胎盤の位置によって決まるようです。
どっちから刺すのが安全か?ってことですね!
NIPT(新型出生前診断)が開発された経緯
ずばり、侵襲的出生前診断の問題点を回避するため
旧来の絨毛検査、羊水検査は、赤ちゃんのリスクが多少なりともあったので
やはり、赤ちゃんにノーリスクな方法はないの?ということで
研究が重ねられてきて
赤ちゃんのDNAがお母さんの血中にあることがわかってきたので
これを利用できないか?となり
いろんな人たちが研究を重ねた結果
2010年代になってからNIPTが始まりました。
NIPTの位置づけ
高齢出産が多くなっていますが
全員が羊水検査したら産婦人科パンクしそうですよね!
NIPTは羊水検査しないといけない人を識別するための
スクリーニング検査という位置づけなようです。
陰性は陰性と確定しますから、あとの検査は不要です。
陽性のときは胎盤の成分なので、羊水検査で赤ちゃんの細胞を取って確認しないといけません。
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医学的な内容を発信するので、仕事でお付き合いのあるお医者さん達に内容に誤りがないか
レビューしてもらうことにしました。
このサイトの医学的内容の監修ドクター
外科専門医 DAIGO 先生
防衛医科大学医学部卒業、防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、各自衛隊基地の医務官を経て外科専門医を取得。専門は一般外科・総合診療。
救急診療医 JOHN 先生
東邦大学医学部卒業、同大学付属分院にて救急診療に従事。
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