認可施設の愛育病院が検査費用を13万円にまで下げていた!

認可施設の愛育病院が検査費用を13万円にまで下げていた!

見たくない情報をSNS経由で見てしまった時の困惑顔の女性

とある有名な産婦人科医のツイートを見た

仕事の合間にツイッターを覗いていたらこんなツイートを見つけてしまいました。


この方はTVや雑誌にもたびたび登場している産婦人科医の宗美玄先生です。何やらNIPTに関することをツイートしていたようです。

なんと、NIPTの認可施設である愛育病院がNIPTの費用を13万円に下げたそうです。しかも


年齢制限も撤廃されたとのこと。ご存じのように今まで認可施設でNIPTを受けられるのは35歳以上でなければいけませんでした。それが34歳でも受けられるのは大きな前進です。宗先生のツイッターには多くのリツイートやいいね、返信が送られています。返信や引用リツイートの一部を取り上げてみます。

「値段だけでなく、ちゃんとした検査を受けられる場所も増えますように。妊娠10週の体調では、(千葉県在住ですが)近場の野良検査しか選択肢はありませんでした」
「よかったです!心配していた分野でした。適切なカウンセリングがない状態で受けるものではないですよね」
「アメリカでは普段言ってた産婦人科から紹介され、ハイリスク妊婦向けの施設で先生のカウンセリングの後に受けた。不安商法、よくない。妊婦さんがまともな医療にアクセスできますように」
「認可クリニックNIPTのハードルが下がりつつある 全国にも広まればいいな」

多くの喜びの声が聞こえてきます。それはそのはずです。認可施設は無認可施設との違いとして挙げられいたのが費用面です。認可施設施設は約15万円から25万円とかなりの高額になります。その面がニーズに応えられるのならば喜ばしいことです。

認可施設全体で価格が安くなった?と思って調べて見た

そこでボクは他の認可施設も愛育病院と同じように検査費用が下がったのか調べてみました。認可施設は全国に109も施設があります。その中のほとんどがGene Tech株式会社と契約しており、採血した血液はGene Tech株式会社が検査をします。

Gene Techのサイトには医療機関を探すページがあるのでそこから関東地方だけをピックアップして調べてみました。

ジーンテックHP2

すると、宗先生が言っていたように愛育病院は確かに検査費用を13万円まで下げていました。

愛育病院

他にもないか調べてみると、なんと生育医療センターも検査費用を大幅に下げていました。



カウンセリング料込みで12万6千円です。かなりの値下げになります。他にもないのか調べてみたのですけど、関東地方では茨城県の茨城県立中央病院がカウンセリング料別で11万6千円でした。



その他の認可施設では今までの検査費用と同じく約15万円から25万円の表示ばかりです。

認可施設と提携しているのはGene Tech株式会社

先述したように認可施設のほとんどがGene Techに検査の依頼をしています。費用の値下げをした愛育病院、生育医療センターも同様です。しかし、Gene Techが海外や国内の他の検査センターと提携していれば検査費用が変わっていても問題はありません。なぜなら検査センターによって技術が大きく変わってきます。そのため費用も違っていて当然だからです。

では、Gene Techは複数の検査施設と提携しているのでしょうか?HPで確認してみました。







このように検査施設と提携しているのではなく自前で検査をしています。それなのに愛育病院と生育医療センターは他の認可施設よりも安い費用で受けています。しかも愛育病院は年齢制限もなく、妊娠9週目から受けられるようになっています。

愛育病院は安易な価格競争に走った?

愛育病院がGene Techと交渉をして検査費用を安くしたのは構いません。

愛育病院

どうしても気になるのが妊娠10週目だった検査を9週目にしたり、年齢制限をなくした点です。検査施設が同じならば他の認可施設も同じようにしなければいけません。しかしそんなところはごく少数しかありません。それなのに愛育病院だけ費用を安くした以外にも検査可能な年齢や妊娠週数を以前よりも要件を緩くしたのかわかりません。

考えられるのが無認可施設との価格競争です。無認可施設ではかなりの安値でNIPTが受けられます。


ご紹介したように認可施設の検査費用は約15万円から25万円と高額です。そこで無認可施設の問題点である検査前の遺伝カウンセリングをしていないことやカウンセリングをしている医師が染色体に関する知識を持っていないという問題点をあげつらって認可施設は事前に遺伝カウンセリングをしているし、費用も値下げしたのだから認可施設で検査を受けようと誘導したのかもしれません。

もしボクの推測通りならば愛育病院は1つおかしな点が出てきます。それは下の画像をご覧ください。



赤線で囲んだ部分がおかしな点です。カウンセリングの前に自宅学習とはどういうjことでしょう?カウンセリングで医師が説明をすればいいだけのことです。検査も30分で終わる?患者さんが理解してくれるまで説明するのが遺伝カウンセリングのはずです。30分で終わらない可能性もあります。それを初めから時間を区切ってしまうのはどうかと思います。それではおざなりなカウンセリングをしている無認可施設のことを悪くは言えません。

認可施設の問題点は?

NIPTはニーズがあるのに受ける人が増えないのは、検査費用が高額という問題があるのは間違いありません。しかしながら、他にも患者さんのニーズに応えられていないものがたくさんあります。認可施設の場合だと診療日の問題が外せません。

多くの認可施設では土日祝日はお休みとなっています。今回、検査費用を値下げした愛育病院も土曜日の午前中は診療していますけど日曜祝日はお休みです。ところがNIPTを受けたいと思う妊婦さんの多くは、平日に仕事をしているので休みは土日祝日しかない方々が数多くいらっしゃいます。その場合、無認可施設を選ばざるを得ません。どうしても認可施設で受けたいとなると有給を取る必要があります。認可施設ではそうした面に応えているとは言い難い環境です。

一方、無認可施設の多くは土日祝日に診療やカウンセリングをしているのでニーズに応えていると言えます。確かに無認可施設では、染色体に関する知識のない医師が形だけのカウンセリングをして採血をするケースも珍しくありません。しかし、無認可施設でも臨床遺伝専門医がカウンセリングや診療を行っているところもあります。十把ひとかけらにして無認可施設を「野良NIPT」などと呼んでほしくはありません。

認可施設の問題は他にもあります。それは検査する染色体の数が3つしかないことです。認可施設側はダウン症候群;21トリソミー18トリソミー13トリソミーだけで十分という説明されていますけど、妊婦さんは他にも知りたいことがあるのに調べてくれません。それは赤ちゃんの性別です。染色体は1つの細胞に46本あり、そのうち44本は常染色体、残りの2本は男女の性別を決定づける性染色体です。 性染色体にはXとYの2種類があり、女性の場合はX染色体が2本、男性はX染色体とY染色体が1本ずつというように、男女によって異なっています。

NIPTで性別の検査が可能なのに認可施設では調べていません。無認可施設では調べることが可能です。そうした面も希望にも応えていないのに一方的に無認可施設を「安かろう悪かろうの診療」というのは違うと思います。

認可施設にも問題点があるのだからしっかりと向き合って改善できるところは少しずつでも修正するのが筋でしょう。

羊水検査まで中絶ができない?

認可施設の多くは妊娠10週目から検査をしています。愛育病院や昭和大学医学部附属病院を筆頭に一部の医療機関が妊娠9週から受付をしています。しかし、いくら検査を早く受けられても結果が出てくるまで二週間ほどかかります。早く結果を知りたい人にとってはその間はものすごく感じるかもしれません。

もし結果が陽性だった場合、認可施設だと羊水検査を勧められます。それは医師会が「NIPTは命の選別につながる」という論調で批判をしていたからです。産婦人科学会も同じ立場を取っていました。そのため陽性の判定が出たら、「確定診断である羊水検査を受けてからでも遅くはない」と言って妊婦さんに検査を受けさせようとするかもしれません。なぜなら「命の選別」を手助けしてしまうかもしれないという気持ちや、大きな病院には羊水検査ができる設備があるのでそれからでも遅くないと考えてしまうからです。

それだと羊水検査ができる妊娠15週目以降まで待たないといけません。それから結果が出るまでさらに二週間も待つことになります。それまで妊婦さんはどんな気持ちで過ごすことでしょう。

それに、ほとんどの妊婦さんは好きで中絶を選ぶわけではありません。自分の生活環境や社会的なサポート、成長したときのことや自分が死んだ後のことまで真剣に考えて選びます。お腹の中にいる自分の子どもを安易な気持ちで殺したいと思うわけありません。

しかも中絶が遅れてしまうと、母体にも影響が出る可能性が高くなります。初期の中絶手術ならばまだ負担も少ないので決断をした妊婦さんのためには早く処置することも大切な医療行為です。患者さんの気持ちにできるだけ応えてあげることと、母体に悪い影響を残さないようにするのが医療の努めです。NIPTで患者さんのためにできることは精度の高い検査で早期に安心と決断できる環境づくりだと思います。

まとめ

スマホで見たくない情報を見てしまった女性
確かにまともにカウンセリングすらできずに採血だけをして終わりという無認可施設はあります。そうした施設は値段の安さを売りにして妊婦さんを呼び込んで商売をしていますし、安かろう悪かろうの診療をしているので「野良NIPT」と言われても仕方ありません。しかしながら認可施設が自分達の問題を直視せずに価格だけ下げて、「認可施設で安くNIPTができます」と宣伝するのもどうかと思います

認可施設であろうが無認可施設であろうが患者さんのニーズにできるだけ応えて、検査後の精神的なフォローも含めてしっかりと寄り添うことが何よりも大切だと思います。実際に先天性疾患を含む胎児の異常による中絶は妊婦さんにとってダメージが大きいので精神的なケアが必要です。検査費用を下げるよりもそういった点にまでフォローをしてあげる体制作りが先だと思います。

NIPTは気軽に受ける検査ではありません。妊婦さん、お父さんにも重大な判断をしなければならない場合もあります。その決断も病院選びによっても変わってくるのです。だからこそ安易に価格競争に走らずにニーズに応えた医院づくりをしてほしい。それがこのサイトを運営しているボクの願いです。

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