どうなるNIPT?厚労省検討会の内容をまとめます

無認可施設への規制はどうなる?知りたい妊婦の権利は?



昨日(令和3年3月17日)厚労省のNIPT検討委員会が行なわれました。
検討会もいよいよ提言内容の取りまとめの段階となってきてこれからのNIPTを
どうしていくのか?の全体像が少しづつ見えてきました。

内容が膨大なのでポイントを絞って書いていきたいと思います。

この検討会をマスコミは報じたのか

まずは、各社の見出しからどうぞ

新型出生前診断 国が実施施設認証に関与 厚労省方針案明らかに(毎日)
NIPT 施設認定に国関与の委員会設置へ(読売)
新型出生前診断、国が関与へ 学会の認定外施設が急増(朝日)

どちらの媒体も内容としては「国が関与する」「認定外施設を規制する」という
ような論調で書かれています。

ん~ボクからすると、確かに大まかな結論は間違っていないのですが、検討会の中では
これまで語られていなかった視点などがありました。

実は、数ヶ月前にボクがこちらで書かせて頂いた内容でした。

検査会社の精度管理という視点



上記は検討会での資料の一部です。
日本衛生検査所協会の堤先生が作られたものです。

NIPTの精度管理をする上では衛生検査所が国際的な認定・認証を第3者機関から
受けていることが一つの評価基準となる。


ボクはこの話題、昨年の8月に書かせて頂いておりました。
【NIPT】実はすごく大事!そこの検査会社は第3者評価を得てますか?(認可編)
【NIPT】実はすごく大事!そこの検査会社は第3者評価を得てますか?(無認可編)

やはり専門家から見ても第3者の国際的な認定・認証を受けていない検査会社は
自己評価だけだから信用ならんということなのでしょうか?


そういえばありましたね。
無認可施設が作った検査会社で国内検査をされていてさも検査精度が高いと自画自賛
されている検査会社が。
※気になる方は上のリンクよりご確認下さい。

こうしたことは確かに改められないと、一定の検査環境のもと行なわれた検査とは
言えませんし、国主導の管理体制とかだったら今後は難しくなっちゃいますよね。

情報提供体制についての疑問



こちらは、当日の資料の一部です。
妊娠前から検査受験後までどのような情報提供を誰が行なっていくかをまとめた案です。
いろいろ書いてありますが、ボクが気になったところは

①今後は全ての妊婦に出生前検査に関する紹介リーフレットを配布する。
 →※印で「検査受検を推奨するものでは無い」と書かれてあります。ですが受け取った
妊婦さんは否が応でも気にしますよね?また、渡されるのが産科医療機関だったら
説明受けるのがそこの 助産師さんだったら尚更誘導されますようね?
情報提供を傘にした壮大な広告宣伝活動としか思えないのは私だけでしょうか?
もし助産師さんが一言「うちでもできますよ」って言ったら 決まりですね。

②主治医は産婦人科?NIPTは遺伝子検査だけど?
 →拠点施設、連携施設で検査を受けることができると書いてあります。主治医は産婦人科
専門医とされており、小児科専門医はおろか臨床遺伝専門医も蚊帳の外に置かれています.

※各学会の皆さん本当にこれでいいのですか?

更に驚きなのは※印で

『※産婦人科専門医、小児科専門医が臨床遺伝専門医でない場合は、
規定の講習を修了した者とする』

講習を修了すれば何でもありってことですか?

③遺伝カウンセリングは?
 →あれだけ遺伝カウンセリングの重要性を言われてきたにも関わらず、上記の図には
  その文言が一言も出てきません。何なんだ一体・・・取って付けたかのように書かれて
  いたのは、主治医と主治医以外のもの※が協同して『説明を行なう』だそうです。
カウンセリングではなく説明で良いのです。
※小児科専門医、認定遺伝カウンセラー、遺伝看護専門看護師、助産師、福祉関係者
ピアサポーター等


「主治医以外のもの」も大問題です。福祉関係者って何ですか?ザルですよこれ!
有資格者ですらない。ピアサポーターも同様です。医療について勉強しているか
わからない人間を入れて良いのですか?ボクは絶対ムリです。

「協同して説明を行なう」も説明が曖昧です。どうとでも解釈できてしまいます。
「同席の上」とは書かれていない訳ですから、主治医の指示のもと「主治医以外のもの」
が単独で検査の説明を行なうことだってOK
になってしまいます。

こんな中身で無認可施設を規制するってどうかしてませんか?

検討会の最後に壮大なオチが・・・

検討会は最後に厚生労働省子ども家庭局母子保健課の課長がまとめを行なっていくのですが
課長の文言をまとめてみました。

○非認定施設に対するレギュレーション(規制)については法的な規制を作るとなると
時間が掛かってしまう。現時点で非認定施設をダイレクトとした法整備は難しい。

○なので、認証制度として優良な医療機関、優良な検査機関を認証して、それを積極的に
周知して、非認定施設には流れないような枠組みを作っていく。

○協議体の立て付けをどうするかについては、新たに法人を作るというのもありますが
一定の権威、支配な信用性が問われるのではと思います。事務局としては日本医学会が
中核を担って頂くというのが一つございます。

○医学分野、コメディカル分野いろんな先生方の中の一メンバーとして厚労省も関わって
いく。運用にあたっては厚労省も一定の予算の措置、情報提供をしていく。
※一部抜粋

さて、冒頭のマスコミ各紙の見出しと比較してみていかがでしょうか。

①法整備化はされない
 →ということは罰則規定は無いということです。この協議体できたとしても無認可施設は
 一切罰則を受けません。
問題あるとされている無認可施設は存続するということです。
しかし、協議体が積極的な広報活動を行なう、巷の産婦人科でも検査ができるようになる
となれば、何の武器も持たない無認可施設は立ち行かなくなると思われます。

②国が主導とは一切言及されていない
 →あくまで中核は日本医学会で組織する。これまでの日本産婦人科学会が我が物顔で進めて
 きたやり方よりは少しマシに見えます。
マスコミ各紙で書かれていたような国が主導ではなく
 あくまでメンバーの一つということ。のようです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

改めてマスコミ報道がどんなものか良くわかりました。
今回のものはまだ案ですので、最終的には月内に決定するようです。

れだけ「遺伝カウンセリングが~」「無認可施設が~」と叫んでいた人達が、いざ具体的な案と
なったら、「遺伝専門医不在でもできる」「医師以外でも講習を受ければ・・・」
「カウンセリングではなく説明」とは全く妊婦さんの気持ち不在ですよね。


この案だと遺伝専門医への相談は「陽性後」でないとできないことになっています。
検査を受けたときとは別の医師、病院に行かないと行けなくなります。しかも、行く先は大病院
ですから、自分たちの都合なんか聞いてくれないでしょう。「●月●日○時に来て下さい」
そこでまた、もう一回同じお話をしなくてはならなくなります。不便ですよねこれは。

であれば、

最初から遺伝専門医が対応してくれて、最後までフォローしてくれるところが一番安心

今のところボクはそう思っています。
まだまだ勉強していきます!



 

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