ヒロクリニックのNIPTに感じる矛盾とは(更に深掘り編)

ヒロクリニックのNIPTに感じる矛盾とは(更に深掘り編)



昨日書きました
ヒロクリニックのNIPTに感じる矛盾とは(微小欠失編)
に続きまして、今回は続編をまとめて見たいと思います。

前回も書いたとおり、ヒロクリニックの微小欠失症候群検査とされるものは7Mb以下の欠失は検出出来ないと検査機器メーカーのイルミナ(正確にはNIPTをパッケージで販売している)が回答しているのに、通常欠失のサイズが1.5~3Mbとされる22q11などもさも検査できるかのようにHPなどで書かれていることに疑問を持っています。

ヒロクリニックHPにはNIPTについて何と書いてあるのか



ポイントは『報告は700万塩基以上の欠失があるケースのみ行います』の点。
ヒロクリニックが検査を依頼している東京衛生検査所(同資本)で導入しているイルミナのNIPT
『Veriseq2』です。
これに対して検査対象となっている微小欠失の種類と大きさがこちらです。



報告できるとされる700万塩基は7Mbのことです。
これに照らしてみれば、測れるのは『1p36の一部』と『5p15.2』のみであってその他は検出されない。
なので、ヒロクリニックは700万塩基以上の欠失あるときのみしか報告「できない」という仮説が
たちます。

しかし、我々一般人はそれぞれの欠失のサイズがどれ位かなんて調べませんし
HPに書いてあったら検査できるものと思い込んでしまうのではないでしょうか。
ここまでがボクが感じていた矛盾で以前書いた内容のおさらいです。

これに対し、臨床遺伝専門医が指摘しています。

東京衛生検査所(ヒロクリニック)さんのTwitterに返信




ミネルバクリニックの仲田先生でした・・・
気になってこちらのリンクを覗いてみました。
minerva-clinic.or.jp/nipt/microdeletion/

すると、


●5Mb以上の染色体欠失は、通常微小欠失とは呼びません。
●微小欠失症候群とは、5Mb以下の染色体欠失で、従来の細胞遺伝学的手法や高分解能カリオタイプ法(2~5Mb)では検出できない微小な欠失が原因の症候群のことを指す。
●全部の染色体を7Mbの大きさでスキャンしても微小欠失の定義が5Mb未満の従来の核型検査では検出できない小さなサイズの欠失なので、7Mb以上の欠失しか検出できない検査で微小欠失症候群は検出できません。
●欧州の検査会社に同じ問い合わせをしたところ、イルミナ本社は「不可能である」と回答しています。

やはり検出できないんですか。
ここについていたリンクを更に読み進めていきます。

ちなみに、仲田先生が書かれた返信に対して東京衛生検査所(ヒロクリニック)さんが
Twitterでお返事した形跡はないようです。
(2020年11月6日現在)

検出できないというエビデンス


the larger the microdeletion the easier to detect it.

A 95 % detection probabilities of a deletion of 7 Mb is obtained at a fetal fraction of > 8 % with the current Veriseq 2 test (see figure below).

So to detect smaller deletions of 3 Mb like 22q11 reliably you need a high fetal fraction.

But Illumina will soon upgrade to Veriseq 3, which is suspected to be more sensitive for smaller microdeletions

訳しますと、

微小欠失は大きければ大きいほど、検出が容易になります。
現在のVeriseq 2テストでは、7Mbの欠失の95%の検出確率は、8%以上の胎児分率で得られます。
つまり、22q11のような3Mbの小さな欠失を確実に検出するには、高い胎児分画(母体の中の赤ちゃんのDNAの率)が必要なのです。

こちらは、東京衛生検査所(ヒロクリニック)さんと同じVeriseq2のNIPTを導入している
海外の検査会社に対して仲田先生がした質問への回答です。
この検査会社もイルミナ本体に確認した結果、このような回答を得たようです。

ということは、
●東京衛生検査所(ヒロクリニック)さんイルミナジャパンに「検査できる」と言われ、その通りやってしまっている。

●7Mb以下は測れないけど。以上は測れるんだからそれだけ報告すれば良いのでは。
どちらかの状態になっているということなのでしょうか。

疑惑は深まるばかりです。

NIPT平石クリニックもVeriseq2で国内検査


ご存じの方も多いかと思いますが、NIPT平石クリニックも東京衛生検査所(ヒロクリニック)さんと
同じ「国内検査」「Veriseq2」で検査をしています。
同じ検査システムを使っているのになぜか意見が分かれています。上記画像の赤線部分には

『微小欠失症候群の多くは、VeriSeq NIPT SoluVeriseq2tion V2の解析アルゴリズムでは検出できない微細な欠失となるため
 アメリカ本社での検査となります』

先程の仲田先生と同じ見解ですよね。Veriseq2のNIPTでは微小欠失は検出できない。
従ってNIPT平石クリニックのこの対応は正しいということになるのでしょうか。
しかし東京衛生検査所(ヒロクリニック)さんはTwitterで


いったいどちらが正しいのやら。。。

まとめ


この問題を正してくれる人は誰なのでしょうか?
妊婦さんがこの問題に直面した場合に、混乱してしまうことは十分あり得ると思います。

微小欠失は検出できないと指摘し、エビデンスを出してきた側がおりますので、ヒロクリニック及び
東京衛生検査所(ヒロクリニック)さんも検出できるエビデンスを出して頂きたいところですね。
※特に欠失が小さい22qなど・・・検出できないのであればそう書くべきと思います。

今後も動向に注目していきたいと思います。
 


 

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