NIPT検討会開催。無認可施設は規制されるしかないのか?

NIPT検討会開催。無認可施設は規制されるしかないのか? 



昨日10月28日、「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第1回)」が開催されました。7月まで全4回行なわれたワーキンググループでの調査などを元により問題に対する具体的な議論を深めるためのものです。当日は報道関係者も感染対策の一環としてシャットアウトで会議の模様はyoutubeでLIVEも行なわれました。※現在は削除されています

委員会の議論の中身はというと、NIPTをどう妊婦さんに安心して使ってもらうかの議論というよりは認可側の日本産婦人科学会のプランのプレゼン会場のような感じで無認可の中身を細かく積めるような議論はなかった印象です。

今回はその中の議論を資料と各構成員がどのような発言をされたかについて書いていきたいと思います。

診療所でのNIPT拡大に必死な産婦人科学会側の主張


会議は10:00~12:00で開催されましたが、そのうちの約半分が日本産科婦人科学会 倫理委員会委員長三上幹男先生のによる45ページにもわたる資料の説明に費やされました。

NIPTにおける認可側の日産婦の正当性


今回日産婦側で発言されたのは三上先生という日産婦の倫理委員会の倫理委員会委員長をされている方でした。どのような発言をされるか注目していましたが、結局のところ無認可クリニックは遺伝カウンセリングと検査後のフォローが十分ではないから妊婦さんが混乱してしまうという状況になっている。なので日産婦の指針を進めさせて欲しい。

と言っているような印象を受けました。

何度も言われていたのは2020年6月20日に発表した指針のことでした。
「日本小児科学会と日本人類遺伝学会の両会を得て・・・」
その時の両学会の発表はこちらです。
※以下を今回資料に盛り込んでいます。これを読んで了解したと受け取る方はおられますか?



要約しますと、


日本小児科学会
小児科医の関与が不十分な体制でNIPT実施施設の拡大を目指す日本産婦人科学会のNIPT新指針(案)に懸念を表明し、他職種、他領域の人材がそれぞれ公平な立場で、更なる議論を継続し、よりよい体制を整えて、実施可能な施設が増えていくことを求めます。



日本人類遺伝学会
産婦人科、小児科、臨床遺伝、それぞれの専門家による、正確できめ細かい説明と遺伝カウンセリングが提供される必要があると考えます。また、検査結果が判明した際には、家族のいかなる選択に対しても十分に説明、支援が出来る体制が取られていなければなりません。

いかがでしょうか。

絵に描いた餅

※当日資料より

日産婦側の案では図のように基幹施設と連携施設を置くという。連携施設は産婦人科の開業医を想定していると思われます。なぜ産婦人科だけに限定しているのでしょうか?連携施設となるための要件にこう示されています。

産婦人科専門医でかつ臨床遺伝専門医出あることを原則
ただし、臨床遺伝専門医以外でも研修終了が認定されている医師(産婦人科領域で臨床遺伝学と関連する分野における知識やスキルの習得した医師)

ここだけを見れば産婦人科専門医しか対象になっていません。小児科専門医・臨床遺伝専門医は産婦人科専門医を持っていなければ認定を受けることは出来ないと読み取れます→つまりは産婦人科開業医のための制度ということでしょうか?

そもそも産婦人科の開業医(診療所)の平均年齢57.6歳(日本産婦人科医会H26年資料より)
ちなみに男性医師に限っては59.4歳です。

お産専門のベテラン先生達が遺伝という新しいものを本当に出来るのか、少し疑問ですね。

話が逸れましたが、冒頭の三上先生が言われたのがこれです。


これまで診療所の医師(開業医)が頑張ってきたんだから認めろと・・・

無認可施設のNIPTについては・・・



無認可施設は全て一括りで遺伝カウンセリングが行なわれていないと明言されていますね。
これについては構成員の皆さんも何も異論を唱えていなかったのにも驚きでした。

確かに無認可施設の中には遺伝カウンセリングを行なわずに簡易な説明と採血のみで行なってしまうところもあります。中には当日は採血しに来るだけと言われてしまうところもありますし、医師によっては質問にも回答してもらえないというところもあるようです。しかし

無認可施設でも遺伝カウンセリングを臨床遺伝専門医が行なっているところあります。
臨床遺伝専門医が大学病院クオリティーで診療します
こうした施設も無認可施設という一括りにされてしまうのは少し違うのでは無いかと思います。

やはり、全体の実態調査を義務的にでも行なう必要はあるのではないでしょうか。
※これは認可施設にも同じことが言えます。医師が出て来ない認定施設もありますので・・・


無認可施設のNIPTについて他の委員の発言は


以下は、無認可施設への対応について各委員の発言をまとめてみました。

河合委員
無認可のスピードが早い、価格などもスゴいのがある。これは施設数を
増やせば良いという問題では無い。

平原委員
2013年当時、私も大混乱の中で始まった。妊婦さんが無認可を受けた理由は
アクセスなどの市場原理で動いていた。でもコンソーシアムはこれでやると
決めてニーズをサルベージしなかったのがこの有様だ。

福井座長
状況を知るために厚労省が全てを調査把握できないのか

齋藤委員
無認可に罰則等が必要なのでは無いか。

石井委員
衛生検査所が認可無認可どちらの検体か分からない。そんなはずない。
衛生検査所及び検査会社への規制が出来ないと無理なのでは無いか。でも
厚労省の権限では出来ない。

無認可施設=全て良くないという論調が目立ち、規制を掛けられないかという議論もありました。中には衛生検査所に規制を掛けてはどうかという意見もありました。国内で無認可施設の検査を扱っている衛生検査所さんこれは震えますね。。。

まとめ


いかがでしょうか。この検討会はこれから来年2月まで数回行なわれ、報告案がまとまり次第、厚生科学審議会科学技術部会へ報告されるようです。全般的に日産婦よりの意見で無認可施設は一律でダメみたいな論調で話が進んでいく内容に疑問を持ちました。

委員の皆さんはご存じないのでしょうか?認可施設でも現在一律のルールでは運用できていないということを。より厳しい目で認可施設を見る視点がないのが残念でしたし、何よりこの会に無認可施設側の人間がいないことが委員会自らが実態を見えづらくしているのでは無いかと思いました。無認可側の人を呼んで話を聞けばより議論が深まるのではと思うのはボクだけでしょうか?

今後も動向に注目していきたいと思います。
 

■■■参照URL■■■


委員会の構成員

会議資料

 

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