遺伝カウンセリング、NIPT出生前診断と法的責任

【NIPT】遺伝カウンセリング・出生前診断と法的責任

NIPT出生前診断と法的責任

非常に興味深い資料を見つけました。
過去に遺伝診療や出生前診断によって起こった訴訟の資料です。

現在、認可無認可と混沌とした国内のNIPT出生前診断について、

妊婦さんは『誰に?どこに?お願いすればよりのだろう?』

とお考えの方もおられることと思います。
今回は実際の判例資料から、出生前診断のあるべき姿を紐解いていきたいと思います。

【前回記事はこちら!】
【NIPT】新事実?5万円のNIPTは通常検査と原価は同じ?
【NIPT】国内初!お父さんのためのNIPT!マルチNIPT de novoって何だ?
【NIPT】続報!このタイミングで毎日新聞の記事が超タイムリー!

この判例、皆さんどう思われますか?

NIPT出生前診断と法的責任
全文はこちらから

上記は地裁判決で、最終的には最高裁まで争われました。その結果

NIPT出生前診断と法的責任皆さんどう感じましたか?

三男とありますが、実は次男は障害のないお子さんでした。医師から『遺伝の心配は無い』と言われたら信じてしまいますよね。そしてこの医師はこれまでもこの疾患を診療した経験があったそうです。尚更信じてしまいますよね。

判決が確定した東京高裁は次のように意見しています。

相談を受けた医師が誤った情報を提供することは、その夫婦の判断を誤らせ、その結果、当該夫婦に経済的負担を含む生活上の重大な影響を及ぼすこととなり得るのであるから、医師が説明の際に許容される裁量の範囲も自ずと限度があるというべきである。原告ら夫婦が、もともと微妙な問題についてB医師に質問して情報の提供を求める以上、提供された情報がもたらす事態は、当該家族において引き受けるほかなく、伴性劣性遺伝の可能性を伝えないことは、裁量の範囲を越えるものというべきである。

では、この問題、どうしたら未然に防ぐことが可能であったかもしれないのでしょうか?

インフォームドコンセント

NIPT出生前診断と法的責任

患者さんから『事前にその説明を聞いてたら、その医療を受けること(遺伝カウンセリングにおいては妊娠出産について現実に出された選択肢)は選択しなかった』と言われても仕方ない事項、そして事前に患者さんに説明することが、患者さんの意志決定上、重要であると分かりきっているものは説明を尽くしきって患者さんの理解を得て、意志確認を取ることが大切と言える。
ここで皆さんに質問です!
あなたが選んだ(選ぼうとしている)NIPT出生前診断を提供している施設はインフォームドコンセント完璧に出来ていますか?では、こうした事例を現在の出生前診断NIPTに置き換えてみましょう!

あなたが選んだNIPT実施施設は大丈夫?

NIPT出生前診断と法的責任

注意義務の違反による過失は医療機関としては最も気をつけなければならないことです。

※昨今の医療過誤・医療事故と同じです。

NIPT出生前診断と法的責任

NIPT出生前診断と法的責任

上記は法律とかではないですが、遺伝や出生前診断に関わる人達にとっては絶対に抑えておかねばならないことです。皆さんが選んだ認可無認可施設はこれ、ちゃんとやってくれましたか?

もっと言えば、これを読んで皮膚科や美容外科など無認可施設が専門性を持たずにNIPT出生前診断をやっていることをどのように思われますか?更に言えば採血だけの提携クリニックで『質問はコールセンターに』とか言っているところでNIPTをやることって危ういことだと思いませんか?

胎児の身はご家族が守らねばなりません。これは『安い!』で選ぶ問題ではないのです。

それはなぜか?

過失相殺ってご存じでしょうか?

過失相殺(かしつそうさい)とは、被害者が損害賠償請求をするとき、被害者にも過失があった場合、裁判所が被害者の過失に応じて損害賠償額を減額することを指します。

交通事故などではよく使われる言葉ですよね(過失割合とも言いますね)

被害者にも非があった場合、裁判所が過失割合を決定し、損害賠償請求から減額するワケですが、NIPTにおいてはどのようなことが想定されるでしょう?想像してみました。

○遺伝や産婦人科などNIPTに専門性を持った施設を選ばずに費用の安さや自宅からのアクセスの良さで選んだ結果、取り立てて検査の説明はなく採血だけして終わった

→これは過失相殺に当てはまるのでは無いかと思います。『より専門性を持った確かな診療を選ばなかった 』ことは被害者の非と捉えられるかもしれません。

10万円の検査料の差額で生涯年収を失う?

刺激のある見出しですが、これも現実としてあり得ることでしょう。

専門ではない医師がやるNIPTで『検査料の安さやアクセスの近さ』で妥協し

『伝えられるべきことを伝えられず』『聞いておくべきことに応えてもらえず』

『陽性となったときに心のフォローもしてもらえず、検査料の負担だけされる』

検査料金の差は10万円くらいの差ですが、納得できる対応をしてもらえず、障害をもったお子さんが生まれて来られた場合、心構えや行政含めたサポートなどの準備も出来ない。

そして、自身も仕事と家庭の両立を予定していたのにそれも叶わなくなる。お金だけの問題ではありませんが、サラリーマンの平均年収が400万円で今後25年から30年仕事で得られた収入は

1億円~1.2億円です。

妊娠・出産は人生で1-2回あるかないかの大事な節目です。万全を期すためのNIPTであるはずです。

10万円程度の差額でご家族の生活・キャリア、そして生涯年収を棒に振るようなことはして頂きたくないなと失礼ながらボクは思うわけです。そもそも、5万円で受けれるNIPTの内容はご存知ですか?10万円の差はカウンセリングだけでないですよ。検査内容も違ってきます。違いが分かれば5万円の検査を提供している施設の倫理観を疑いたくなると思いますよ。

NIPTをやると決められたのであれば、考え得る最高の『検査精度』『専門医から受けるカウンセリング』『フォロー体制』のあるところでやられるのがリスク管理ではないでしょうか?

まとめ

NIPT出生前診断と法的責任

いかがでしたでしょうか。

今回は少し違う側面からNIPTを取り上げてみました。安易に選ぶことの危うさ、カウンセリングの重要性をご理解頂けましたでしょうか。これは本当にリスクになり得ます。

皮膚科や美容外科のクリニックが専門性を持たずにビジネス的にNIPTをやっている。

我々はもっと中身を吟味して良し悪しを見抜く力を身につけねばなりません!

これからもより良い選択へのご参考として頂けますよう今後もこのまとめサイトをで情報更新して来たいと思います!では!また次回。

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