【NIPT】産婦人科学会の暴走問題で産科医の言い分を一つ一つ突っ込む!

【NIPT】産婦人科学会の暴走問題で産科医の言い分を一つ一つ突っ込む!

NIPT?あっ、妊娠初期に胎児の異常があるかどうか採血だけでわかる検査でしょ?
ダウン症かどうかわかる検査でしょ?
間違いではないのですが、検査を受ける上で知っておくべきことがもっとあると思います。
今回は今世間と医療界を賑わせている日本産婦人科学会のNIPT条件緩和のフライング発表問題について、産婦人科医である大学教授のコメントがyahooニュースに掲載されておりましたので、共有させて頂くと共に一つ一つ突っ込んでいきたいと思います。

【前回記事はコチラ】

【NIPT】新型出生前診断、開業医にも拡大?まだです!ニュースの実態はこれです!
NIPTに自閉症遺伝子検査を同時に検査したご夫婦のお話【NIPT】
新型出生前診断(NIPT)東京都内 無認可クリニック価格表 最新版!

どんな記事?

新型出生前診断(NIPT)実施施設の拡大で「生命の選別」が身近に? 悩める妊婦,求められる支援の実質

この記事は、岡山大学医学部保健学科教授で産婦人科医の中塚幹也氏が書かれたものです。
中塚教授は妊娠→出産だけでなく、子育て支援のネットワークなどを岡山モデルとして始められた先生です。
以下、冒頭部分です。※全文は上記リンクよりどうぞ

6月20日,日本産科婦人科学会(日産婦)は,妊婦の血液で胎児の染色体異常の有無を調べる「新型出生前診断(NIPT)」を実施できる施設の拡大に向けて指針を改定した.NIPTは妊娠10週という早期から実施可能であり,採血のみでダウン症などの染色体異常をある程度の正確さで見つけることができる.

日本には2013年に導入され,遺伝カウンセリングを受けることができる認定施設で,35歳以上の妊婦などの条件のもと,3種類の染色体の検査に限定して実施されている.晩婚化,晩産化とともに希望する妊婦は増加しており,現在までに7万人以上が検査を受けたとされる.しかし現在,NIPTの実施が認められているのは,日本医学会の認定・登録を受けた全国109施設であり,NIPTを実施できない市町村の方が多い.

このような状況下,営利目的でNIPTを実施する認定外の民間施設も存在している.遺伝カウンセリングのないまま,3種類以外の染色体の異常を見つけたり,胎児の性別を判定したりする目的でもNIPTが実施されている.産科の主治医に内緒でNIPTを受け,あまり説明もなく渡された「陽性」の結果に困惑し,普段受診している産科クリニックへ相談に訪れる夫婦も見られる.

既に突っ込みどころ満載なんだが…

『遺伝カウンセリングを受けることができる認定施設で,35歳以上の妊婦などの条件のもと,3種類の染色体の検査に限定して実施されている』

実態その1:認定施設で遺伝カウンセリングをするのは医師・遺伝カウンセラーどちらとは明確に定まっていない。施設によってはカウンセリングから結果開示までを全て遺伝カウンセラーが行っている例もある。これは診療行為(医行為)を医師のみができる医師法に疑義が生じる問題である。※独自で調査した結果です。

実態その235歳以上という条件は既に崩れ去っている。確かに厳密に遵守している施設もあります。しかしNIPTコンソーシアムの総本山ともいえる国立成育医療研究センターや昭和大学医学部付属病院(コンソーシアムのTOPお二人の所属先です)では、既に年齢制限は撤廃されています。その理由はなんと『高齢であるという概念は妊婦によって異なるから・・・』だそうです。
こちらがそのエビデンスです。
※↑にはその他にも『妊婦一人でもok』『同日検査可能』などこれまでの条件を根底から覆す変更がされています。

『NIPTの実施が認められているのは,日本医学会の認定・登録を受けた全国109施設であり…』

実態:事実とは異なります。「認められている」とは法律でもなければ厚生労働省でもなく、日本産婦人科医学会が独自で作った指針(内部規定)を認めた日本医学会から認められているだけであって、無認可施設がNIPTを実施することに違法性は存在しません。

『NIPTを実施する認定外の民間施設も存在している.遺伝カウンセリングのないまま,3種類以外の染色体の異常を見つけたり,胎児の性別を判定したりする目的でもNIPTが実施されている.産科の主治医に内緒でNIPTを受け,あまり説明もなく渡された「陽性」の結果に困惑し,普段受診している産科クリニックへ相談に訪れる夫婦も見られる.』

実態:これは事実です。遺伝カウンセリングを専門医行わず、採血だけしている状況は絶対に改善されなくてはなりません。その他のオプション検査については、妊婦さんの知る権利はあると考えます。それよりも『産科の主治医に内緒でNIPTを受ける』これはどこを受けようが妊婦の権利であるはず。陽性結果を主治医に持ってきたとしても産科医は断ってはいけない。これは診療拒否に該当します。それが嫌なら最初からNIPTについて言及しておくべきだと思います。

そもそも今回問題なのは・・・

こちらの記事でも日本小児科学会と日本人類遺伝学会との議論を反映したと書かれていますが、現段階ではどちらの学会も否定も肯定もしていないわけです。なのに、マスコミを使ってあたかも同意したかのように装った日本産婦人科学会に問題があるわけです。
※そもそも合意していたら共同発表や直ぐに学会ごとの声明を出しますよね?なぜ、1週間以上たっても何もレスポンスがないのでしょうか?『何も決まってないからですよね?』と思うのは邪推でしょうか?

記事中にある通り厚生労働省が動いています。ワーキンググループで検討が続けられている中で(ワーキンググループの中には産婦人科学会の医師も名を連ねている)この発表を行う。手順を経ないでいることは明らか。厚生労働省もなめられたものです。。。

去年の今頃も同じことをしています(常習性あり)

新型出生前診断 新指針運用見送り 凍結し「国の動き注視」 日産婦
妊婦の血液から胎児の染色体異常を推定する新型出生前診断(NIPT)を巡り、日本産科婦人科学会(日産婦)は22日、検査できる医療機関の要件を大幅に緩和し実施拡大を図る新指針の運用を見送ると発表した。他学会から強い批判を受け、厚生労働省がNIPTのあり方を議論する検討会を設置する方針を決めたため、この日新指針を正式に決定したものの凍結が必要と判断した。

新指針策定を主導した藤井知行・前理事長は記者会見し、「国の議論の行方を注視したい」と述べた。毎日新聞2019年6月22日 21時03分

ちょうど1年前ですよ。このときに言った『国の動きに注視したい』はいったい何だったのか?
ということになりませんか?国もその後、厚生労働省がワーキンググループを作って認可無認可の現状調査をしているところでした。国も何もしなかったわけでなく、ちゃんと動いていましたよ。舌の根も乾かぬうちとはこのこと!

なぜ日産婦は急ぐのか?

この問題については神宮外苑ミネルバクリニックの仲田先生がフォロワーからの質問に答えています。

結局は開業医からの圧力には勝てないのですかね日産婦は?開業医は意欲満々のようですが、NIPTできるんですかね?

開業医がNIPTする知識・経験はあるのか?

仲田先生は更にこう続けました。

NIPTのその先を既に見据えているんですね。確かに多様な疾患に及ぶ可能性のあるものを妊婦だから、胎児だからという理由で産婦人科医が幅を利かせているのは確かにどうかと思う。採血だけで特殊な技術はいらないと暗にクビを突っ込もうとしている開業医達はこの検査の大変なのところを理解していないのだろうか?

まとめ

いかがでしたでしょうか。
確かに妊婦さんにとって、何処でも検査できるという利便性ではメリットがあるかもしれません。しかし先に書いたとおりこの検査の専門は明らかに遺伝診療科の医師、遺伝専門医であることは間違い無いです。

無認可クリニックにおいても、全く何の専門性も無い医師が自由標榜制を利用して検査をしています。果ては株式会社まで・・・
医師の縄張り争いではないのです。それは患者のためになっていません。診療科毎に連携すれば良いだけでは?厚労省に期待するしかいないのでしょうか?

どれが自分に取って一番納得できるところか是非考えてみて下さい。

NIPTは10週0日から受けられますが、どのタイミングで結果を受け取るかで、
患者側はとてもスピーディな判断を迫られることになってしまいます。

オススメに入れました神宮外苑ミネルバクリニックのスーパーNIPT
国内唯一の第3世代NIPTです。

第1世代のWGS法は、母子のDNAを区別して測定することはできなかったのですが、第3世代だとそれが正確にできるようになりました。
なので、正確性が格段に増しているようです。。
今のところ、基本検査(13/18/21トリソミー)や微細欠失症候群の偽陰性はゼロとなっています。

更に追加にはなりますが、100種類の遺伝子の病的変異についてご両親を検査し、なおかつご両親になくても赤ちゃんだけで
起こる新生突然変異について調べる遺伝子検査もあるようです。

リンク貼っておきますので、気になる方は是非覗いてみて下さい!

今後もNIPTを取り巻く基礎知識を取り上げていきたいと思います。

では!また次回。

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医学的な内容を発信するので、仕事でお付き合いのあるお医者さん達に内容に誤りがないか
レビューしてもらうことにしました。

このサイトの医学的内容の監修ドクター
外科専門医 DAIGO 先生
防衛医科大学医学部卒業、防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、各自衛隊基地の医務官を経て
外科専門医を取得。専門は一般外科・総合診療。
救急診療医 JOHN 先生

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