NIPT|ダウン症候群とは

NIPTダウン症候群とは
 

NIPT(新型出生前診断)で検査可能な21番染色体のトリソミーであるダウン症候群のリスクや症状や治療法についてまとめてみました。

NIPTで検査できるダウン症候群21トリソミー)は母体の年齢でリスクが上がる

ヒトには合計46本の染色体があります。
番号が付いている第1~22番はそれぞれ2本。
性染色体が XX または XY のあわせて46本です。

ダウン症候群は21番染色体の異常で、本来2本しかないはずの染色体が3本あるのが基本です。
症状としては、知的障害、小頭症、低身長、および特徴的顔貌があります。

身体の奇形と発達の異常から疑われ、染色体検査でダウン症候群の確定診断となります。
根本的な治療法ありませんので、具体的な症状に応じた治療となります。

出生児におけるダウン症候群の全体の発生率は約1/500といわれていますが、母体の年齢が上がるにつれて罹患率が増します。

出産時の母体の年齢T21T18T13
201/1441
1/100001/14300
25
1/13331/83001/12500
301/9591/72001/11100
351/3381/36001/5300
361/2591/27001/4000
371/2011/20001/3100
381/1621/15001/2400
391/1131/10001/1800
401/841/7401/1400
411/691/5301/1200
421/521/4001/970
431/371/3101/840
441/381/2501/750
451/30

母体年齢別の出生児におけるダウン症候群のリスクは、20歳で1/2000、35歳で1/365、40歳で1/100とされています。
しかし、大半の出生は比較的若年の女性によるもので、ダウン症候群児の大多数は35歳未満の女性から出生しています。
35歳以上の女性から出生するダウン症候群のお子さんはダウン症児全体の約20%となっています。

疾患の原因

約95%が21番染色体全体の過剰(21トリソミー)で、ほぼ全例が母親由来となっています。

また、ダウン症候群患者の約2%は、正常核型(46,XXとかの染色体型を核型といいます)の細胞集団と21トリソミーの細胞集団からなるモザイク(同じ細胞を起源として違う性質のものが混ざる状態をモザイクといいます)です。

また、21番染色体のかかわるRobertson(型)転座(染色体の一部が違う染色体に入れ替わってしまうこと)をもつ患者は、染色体の本数が46本であっても、21q上のすべての遺伝子がトリソミーになっています。

トンプソン&トンプソン遺伝医学より

NIPTで検査できるダウン症候群の症状

形の異常と機能の異常の両方が引き起こされますがその程度は様々です。

認知障害

大半の症例でみられ、重度(IQ20~35)から軽度(IQ50~75)まで程度はいろいろです。

粗大運動の遅滞

生後早期から明らかとなります。

言語発達の遅滞

生後早期から明らかとなります。

低身長

肥満

先天性心疾患

約50%に先天性心疾患がみられ、心室中隔欠損症と心内膜床欠損症が最も多くみられます。

消化管奇形

約5%の症例で、特に十二指腸閉鎖を合併します。ヒルシュスプルング病とセリアック病も比較的頻度が高いです。
ヒルシュスプルング病のある乳児では通常、出生後48時間にわたり胎便の排出がありません。重症例では胆汁性嘔吐・排便障害・腹部膨隆などの腸閉塞の徴候がみられることがあります。十二指腸閉鎖または狭窄は、狭窄の程度に応じて、胆汁性嘔吐を呈するか、無症状で経過します。

内分泌障害

甲状腺機能低下症が最も多く、糖尿病なども発生します。

目と耳

約60%で先天性白内障、緑内障、斜視、屈折異常などの眼障害がみられる。大半の症例で難聴がみられ、耳感染症が非常によくみられる。

老化

老化が加速します。平均寿命は約60歳ですが、最近では70代や80代まで生存している例もあります。
比較的若年からアルツハイマー病のリスク増大がみられます。

外観

罹患した新生児は、おとなしく、めったに泣かず、筋緊張低下を示すという傾向があります。ほとんどの症例で扁平な側貌(特に鼻根部扁平)がみられるが、出生時には通常とは異なる身体的特徴が目立たず、乳児期になってから特徴的顔貌が顕著になる場合もあります。目がつり上がり口はしばしば開いたままで、大きな溝状舌(中央の亀裂はみられない)を突き出していることがあります。耳介は小さくて円形であることが多いです。

成長および発達

成長につれて、身体および精神発達遅延があきらかになってきます。低身長で、IQの平均は約50です。小児期には注意欠如・多動症を示唆する行動がしばしばみられ、自閉的行動の発生率が高くあっています。抑うつもよくみられます。

心臓

心室中隔欠損症のある乳児は、無症状~心不全の徴候がみられる場合までさまざまです。共通房室弁口(心内膜小欠損)のある乳児では、心不全徴候がみられるのが通常ですが、最初は無症状のこともあります。

NIPTで検査できるダウン症候群の診断

ダウン症候群の診断としては、胎児超音波検査で検出された所見や、クワトロテストなどで出生前にダウン症候群が疑われることがあります。
母体循環から得られた胎児DNAを検査する無侵襲的出生前スクリーニング(NIPT)も、最近では21トリソミー(ダウン症候群)スクリーニングの選択肢の一つとなっています。

母体血清スクリーニングや超音波検査によりダウン症候群が疑われる場合、胎児または新生児の確定診断検査が推奨されます。
母体年齢を問わず妊娠20週前に出生前ケアのために受診した女性全例に対して、ダウン症候群に対する母体血清スクリーニングおよび診断検査が推奨されます。

出生前に診断されなかった場合、出生時に身体奇形に基づき、染色体検査を行いダウン症候群の確定診断をします。

NIPTで検査できるダウン症候群の治療

具体的な症状や徴候を治療することになります。根本的な治療はありません。
基礎疾患を完治させることはできません。
管理方針は具体的な臨床症状できまります。
一部の先天奇形は外科的に治療します。
甲状腺機能低下症があれば甲状腺ホルモンの補充により治療を行います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

様々な理由はあると思います。
『望まぬ妊娠だった』方は別として、NIPTを受ける方々は
恐らく『望んで妊娠した』方々と思いますので、
結果に対する判断は大変重いものですし
陽性になったとき
心身のダメージは計り知れないことと思います。

特に今回勉強してみて、妊娠中期で判断することは大変なことと気付かされました。

NIPTは10週0日から受けられますが、どのタイミングで結果を受け取るかで、
患者側は
とてもスピーディな判断を迫られることになってしまいます。

『12週目までに判断したい』
いう方々が多くおられるのも今回良く理解しました。

以前取り上げましたが、神宮外苑ミネルバクリニックのアラフォー応援コースは2社のNIPTを同時に検査することで、高い陽性的中率(羊水検査の必要性が揺らぐくらい)を実現とHPにありました。
ということは、同時に受けておけば羊水検査の必要はなくなる可能性があるってことですよね。

NIPTの検査結果だけで判断が可能になるとすると、16週まで待って羊水検査をして
結果がわかるのに2-3週間待たないと行けなくて
そうすると19-20週で中絶ってことになりますから、負担が大きくなっちゃいますよね。

これに対して10週で2か所で検査しておけば12週で判断可能ってことなので
期待が高まりますね。

リンク貼っておきますので、気になる方は是非覗いてみて下さい!

今後もNIPTを取り巻く基礎知識を取り上げていきたいと思います。

では!また次回。

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医学的な内容を発信するので、仕事でお付き合いのあるお医者さん達に内容に誤りがないか
レビューしてもらうことにしました。

このサイトの医学的内容の監修ドクター
外科専門医 DAIGO 先生
防衛医科大学医学部卒業、防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、各自衛隊基地の医務官を経て
外科専門医を取得。専門は一般外科・総合診療。
救急診療医 JOHN 先生
東邦大学医学部卒業、同大学付属分院にて救急診療に従事。

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