羊水検査について勉強してみました!【NIPT基礎知識編】

羊水検査はいつ受けられるの?
染色体異常を検出するための羊水検査は妊娠15週以降で行われます。
通常の染色体分析には早くても約2週間かかるため、妊娠中絶が可能な時期(妊娠21週台まで)から逆算して遅くとも妊娠19週の前半までに施行されることが望ましくなっています。
羊水検査の方法とは?
妊娠娠 15 週から 19 週に羊水穿刺に行います。
原則として日帰り入院のところが多いです。
胎盤が穿刺部位と近いとか、子宮筋腫の合併などのリスクが高い人は入院して施行することがあります。
羊水染色体検査に先立ち、十分な遺伝カウンセリングおよび検査についての説明が行われます。
超音波でおなかの赤ちゃんの位置を確認して児・胎盤の位置を確認し、腹部の皮膚表面を消毒して穿刺部位の局所麻酔を行った後、超音波装置で観察しながら羊水穿刺針を刺入し、羊水を約20mlとります。
おなかの手術をしたことがある(帝王切開含む)、胎盤・胎児の位置が悪い、子宮筋腫がある、などで羊水穿刺が困難なことがあります。
検査にかかる期間は、染色体が羊水細胞を培養して増殖させて分裂すると気じゃないと見えないので、結果が判明するまではやくても約2週間を要します。
13・18・21・X・Y の 5 種類の染色体については、FISH法により行えるので、約1週間で暫定的な結果を下すことが可能です(最終診断には染色体検査の核型がでてからになります)。
羊水検査の危険性とは?
羊水穿刺によって、およそ 0.1~0.5%(1/1000~1/200)の確率で流産が引き起こされる可能性があります。
また、まれに破水・性器出血・羊水塞栓・感染などが起こる場合があり、入院管理を要することがあります。
羊水染色体検査でわからないこととは?
1.微細欠失症候群
顕微鏡観察では不可能なほど微細な染色体の異常は検出できないことがあります。
しかし、あらかじめわかっていたらさっき出てきたFISH法で検出することが可能です。
認可施設では無理でも、NIPTを提供している無認可施設は微細欠失症候群の一部を扱っているため、陽性となって目星がついていたらそれをFISHで見ることは可能でしょう。
2.遺伝子レベルの異常
知的障害、口唇・口蓋裂、先天性難聴などを引き起こす遺伝子の異常は検出できません。
無認可施設では一部(神宮外苑ミネルバクリニック)の機関でNIPTで赤ちゃんの遺伝子レベルの異常を検出可能です。
すでに陽性症例も報告されています。
3.モザイク型
正常な細胞と異常な細胞が混在したモザイク型染色体異常は検出できないことがあります。
4.羊水細胞の培養不良
母体の細胞が混入したりする場合、その他の予期せぬ原因によって羊水細胞培養がうまくいかない場合、染色体検査ができないことがあります。
5.特別な処置と配慮が必要な疾患
特別な処置と配慮が必要な染色体切断症候群と脆弱X症候群の分析は含まれていません。
費用はいくらくらい掛かるのか?

その中で、調べてみた範囲では、5~25万円と幅がありました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
様々な理由はあると思います。
『望まぬ妊娠だった』方は別として、NIPTを受ける方々は
恐らく『望んで妊娠した』方々と思いますので、
結果に対する判断は大変重いものですし
陽性になったとき
心身のダメージは計り知れないことと思います。
特に今回勉強してみて、妊娠中期で判断することは大変なことと気付かされました。
NIPTは10週0日から受けられますが、どのタイミングで結果を受け取るかで、
患者側は
とてもスピーディな判断を迫られることになってしまいます。
『12週目までに判断したい』と
いう方々が多くおられるのも今回良く理解しました。
以前取り上げましたが、神宮外苑ミネルバクリニックのアラフォー応援コースは2社のNIPTを
同時に検査することで、高い陽性的中率(羊水検査の必要性が揺らぐくらい)を実現とHPに
ありました。
ということは、同時に受けておけば羊水検査の必要はなくなる可能性があるってことですよね。
NIPTの検査結果だけで判断が可能になるとすると、16週まで待って羊水検査をして
結果がわかるのに2-3週間待たないと行けなくて
そうすると19-20週で中絶ってことになりますから、負担が大きくなっちゃいますよね。
これに対して10週で2か所で検査しておけば12週で判断可能ってことなので
期待が高まりますね。
リンク貼っておきますので、気になる方は是非覗いてみて下さい!
今後もNIPTを取り巻く基礎知識を取り上げていきたいと思います。
では!また次回。
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医学的な内容を発信するので、仕事でお付き合いのあるお医者さん達に内容に誤りがないか
レビューしてもらうことにしました。
このサイトの医学的内容の監修ドクター
外科専門医 DAIGO 先生
防衛医科大学医学部卒業、防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、各自衛隊基地の医務官を経て
外科専門医を取得。専門は一般外科・総合診療。
救急診療医 JOHN 先生
東邦大学医学部卒業、同大学付属分院にて救急診療に従事。
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