確定検査と非確定検査とは?【NIPT 基礎知識編】【医師監修】

確定検査と非確定検査とは?【NIPT 基礎知識編】【医師監修】

 

NIPT?あっ、妊娠初期に胎児の異常があるかどうか採血だけでわかる検査でしょ?
ダウン症かどうかわかる検査でしょ?
間違いではないのですが、検査を受ける上で知っておくべきことがもっとあると思います。

確定検査とは?

確定的検査とはその検査を実施して結果がでると、診断がほとんど確定する検査を意味します。
出生前診断だと羊水検査や絨毛検査によりあかちゃんの染色体異常がみつかった場合は、診断が確定しますので、こうした検査は確定検査です。

がんの診断も、がんの疑いがある部分を一部とって病理組織検査をして、その結果で診断を付けますので、病理組織検査が確定検査となります。
それまでのCTやMRIといった画像所見や腫瘍マーカーなどの血液検査は全部、がんを疑わせる所見ではあるのですが、それだけでは診断は決まりません。

新型コロナウイルス感染症では、発熱、咳などの症状やレントゲンで肺炎があると疑いは高まりますが、診断をつけるにはPCR検査が必要ですよね。
この場合は確定検査はPCR検査となります。

非確定検査とは?

確定検査以外の検査はすべて非確定検査となります。
ある病気に罹患している確率が高いかどうかを判断するための検査のことを非確定的検査といいます。
これだけでは異常だと診断することはできず、診断確定するためのさらなる検査を必要とします。

胎児の染色体異常を調べる非確定検査の特徴とは?

まずは、母体・赤ちゃん双方への負担がとても少ないことが特長として挙げられます。採血や超音波なのでこれらをを行うことで流産や破水などの危険にあかちゃんをさらすことはありません。
確定的検査の絨毛検査や羊水検査の場合、母体の腹表や膣から針を子宮に挿します。痛みもあり、出血や感染、それによる流産のリスクもあります。
次に、どの検査もあくまでも「確率」を求める検査だということです。診断のためには確定的検査を行う必要があります。

胎児の染色体異常の可能性が高く(低く)なる非確定検査にはどんなものがあるの?

母体血清マーカー検査

クワトロ検査

現在もっとも用いられているのがクアトロ検査です。

クアトロ検査とは?

妊娠15週から17週頃までにお母さんの血液を採取し、
AFP(αフェトプロテイン)
βHCG
uE3(非結合型エストリオール)
inhibin A
という4つの物質の値を評価する検査のことです。

クワトロ検査で何がわかるの?

21トリソミー(ダウン症候群)
18トリソミー
開放性神経管奇形(二分脊椎など)
のリスクを評価することができます。
この検査の特徴としては、染色体異常症ではない開放性神経管奇形についてのリスク評価ができることにあります。

超音波検査

超音波検査によるむくみ(NT)の肥厚の有無など。

超音波所見から染色体異常を推定する方法とは?

ソフトマーカー

ソフトマーカーとは、染色体疾患を疑い得る治療の必要がない超音波的な形の特徴をいいます。
NTの肥厚
鼻骨欠損/低形成
耳の位置異常
などがあります。
一番よく用いられているのは「NTの肥厚」で、妊娠初期に胎児の首のうしろにむくみのように見えるもの(透き通って見えますので超音波だと黒く抜けています)ですが、これが厚かったとしても治療の必要はありません。自然に消失します。しかし、この部分が厚い、すなわちむくんでいることが心疾患のリスクをあげ、心疾患の原因となる染色体異常の発生リスクと関連することが知られています。このため、NT自体に害はないのですが、NTの肥厚には注目するのです。最近ではこのNTの厚さの評価と超音波所見や血液検査結果を加えることで、より具体的に染色体疾患のリスクを算定できるようになってきています。

病的な形態異常から推定

「病的な形態異常」というのは、病的なので端的に言うと、「治療の必要がある形の異常」ということになります。
病的な形態異常のなかには、染色体異常との関連があるとされるものがあります。

1.十二指腸閉鎖:30%にダウン症候群を認めます。しかし、ダウン症候群の赤ちゃんの十二指腸閉鎖合併率は5%と低いです。
2.全前脳胞症:13トリソミー
3.臍帯ヘルニア、横隔膜ヘルニア:18トリソミー
4.房室中隔欠損症:ダウン症候群

新型出生前診断

新型出生前診断(NIPT)も非確定的検査になります。

NIPTとは、正式には無侵襲的出生前遺伝学的検査(Noninvasive prenatal genetic testing)と呼ばれる検査の略称です。

従来は、赤ちゃんの染色体異常は絨毛検査や羊水検査のように、直接子宮に針を刺して赤ちゃんの細胞を採取するしかありませんでした。
1990年台から、実は赤ちゃんの遺伝子のかけらになってお母さんの血液中に流れていることがわかるようになりました。この遺伝子のかけらのことをcell free DNAといいます。通常、遺伝子は折りたたまれて染色体となり、細胞の核の中に存在しますが、cell free DNAは細胞の中にはなく、そのままお母さんの血液に溶け込んでからだを巡っています。

このかけらを集めてきて増やし、次世代シークエンサーという機械を使って、お母さんの血液中にある赤ちゃんのcell free DNAを評価する検査のことをNIPTといいます。

現在この検査で測定できる疾患は
21トリソミー
18トリソミー
13トリソミー
の基本的な3疾患に加えて

微小欠失症候群(いろんな無認可施設)
遺伝子そのものの変異(ミネルバクリニックのスーパーNIPT)による疾患

に拡大されています。

この検査の特徴は、検査結果が「陰性」であるときの信頼性が高いことです。
つまり、この検査が陰性であれば、99.9%の確率で ない といえることにあります。

しかし、陽性のときの信頼性(陽性的中率)は年齢によって変化します。
陽性的中率は、検査の事前確率(有病率)により変化するからです。
事前確率が低いと陽性的中率も低くなります。

そのため、陽性と出た場合には確定診断のための羊水検査が必要となると日本産科婦人科学会は言っていますが
海外の臨床試験の論文では必ずしも羊水検査ではなく、超音波で異常所見があるなどの追加項目があれば人工妊娠中絶に進んでいたりするようです。

人工妊娠中絶のところで述べましたが、羊水検査をしてからだと進んだ週数で中絶することになり、日本のようにそれを妊婦さんたちに強制するようなやり方というのはどうなのかと正直疑問に感じます。

参考文献:超音波胎児形態異常スクリーニング

まとめ

いかがでしたでしょうか。

様々な理由はあると思います。
『望まぬ妊娠だった』方は別として、NIPTを受ける方々は

恐らく『望んで妊娠した』方々と思いますので、
結果に対する判断は大変重いものですし
陽性になったとき
心身のダメージは計り知れないことと思います。

特に今回勉強してみて、妊娠中期で判断することは大変なことと気付かされました。

NIPTは10週0日から受けられますが、どのタイミングで結果を受け取るかで、
患者側は
とてもスピーディな判断を迫られることになってしまいます。

『12週目までに判断したい』

いう方々が多くおられるのも今回良く理解しました。

以前取り上げましたが、神宮外苑ミネルバクリニックのアラフォー応援コースは2社のNIPTを

同時に検査することで、高い陽性的中率(羊水検査の必要性が揺らぐくらい)を実現とHPに

ありました。
ということは、同時に受けておけば羊水検査の必要はなくなる可能性があるってことですよね。
NIPTの検査結果だけで判断が可能になるとすると、16週まで待って羊水検査をして
結果がわかるのに2-3週間待たないと行けなくて
そうすると19-20週で中絶ってことになりますから、負担が大きくなっちゃいますよね。

これに対して10週で2か所で検査しておけば12週で判断可能ってことなので
期待が高まりますね。

リンク貼っておきますので、気になる方は是非覗いてみて下さい!

今後もNIPTを取り巻く基礎知識を取り上げていきたいと思います。

では!また次回。

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医学的な内容を発信するので、仕事でお付き合いのあるお医者さん達に内容に誤りがないか
レビューしてもらうことにしました。

このサイトの医学的内容の監修ドクター
外科専門医 DAIGO 先生
防衛医科大学医学部卒業、防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、各自衛隊基地の医務官を経て
外科専門医を取得。専門は一般外科・総合診療。
救急診療医 JOHN 先生
東邦大学医学部卒業、同大学付属分院にて救急診療に従事。

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