これってもしかして流産?その時チェックすべきこととは?【医師監修】

これってもしかして流産?チェックすべきこととは?【医師監修】

流産とは?

妊娠が22週未満で終ってしまう場合を流産といいます。
昔は日本では妊娠27週までの分娩を流産と定義していたのですが,新生児医療が充実して産まれた赤ちゃんが助かるようになったため、その後定義が24週未満となり,さらに1992年1月から現在のように22週未満と定義されるようになりました。
これは母体保護法という法律で決まっています。(旧優生保護法)
この時期がすぎて正期産までの間に生まれることを早産といいます。

海外との違い

WHOは実は流産と早産との境界を決めていません。
その国の実情に応じて決めることにしていて、たとえば
1973年にFIGO(The International Federation of Gynecology and Obstetrics:
国際産婦科人科連合)は体重500グラム以下の胎児あるいは胎芽が母体から完全に排除された状態
をいうと決めました。500g未満の胎児は胎外での生存が不可能だったからで、ちょうど妊娠22週末の赤ちゃんの大きさになります。
それから47年たった2020年の現在、未熟児保育が著しく進歩し、新生児集中治療室(NICU)が整備されることにより500g前後の超低出生体重児が助かって元気に育っている例もみられ,定義は改定されることも考えられます。日本でも現在、この週数を見直そうという議論がなされているそうです。

流産の分類

妊娠期間による分類

妊娠期間により,妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降22週未満の流産を後期流産といいます。

人工か自然か

妊娠が自然に中絶された場合を自然流産といいます。
人工的に中絶する場合を人工流産といいます。

臨床的な分類

1)切迫流産

流産の危険性が高まっている状態を指します。
少量の性器出血と軽い腰痛、ときに下腹部緊満感がみられるが、子宮頸管は開いてなくて、子宮も妊娠週数の大きさで、卵膜も破綻していない状態が切迫流産と呼ばれています。
この状況だと適切な治療や自然経過の観察で妊娠継続が可能なことが多いようです。

超音波断層法の技術進歩でよく見えるようになったため、妊娠初期の出血のなかには、すでに胎芽(妊娠7週までの赤ちゃん)死亡が起こり、それを子宮外に排出する過程で出血した場合も見えるようになっています。

また、性器出血があっても赤ちゃんが正常に発育し、心拍が確認できたものではあまり問題がないことがわかってきました。
ですので、性器出血をみたら器械的に切迫流産という診断がつくわけではなく、子宮の状況、あかちゃんの状態、出血の原因などもよく調べて総合的に診断すべきといわれています。
診断によりその後の状況も異なってくるのですから。

赤ちゃんが無事でも出血がある場合、絨毛膜下血腫、頸管無力症、子宮収縮などが原因となっていることがあります。

2)進行流産

下腹部の痛みが陣痛みたいに強くなり、出血の量も多くてかたまりが混じっていて、すでに流産のながれが進んでいる状態をさします。
すでに子宮頸管が開いて子宮は収縮し、着床した受精胚の一部または全部が子宮壁から剥離しています。

3)完全流産

妊娠された内容が完全かつ自然に排出された状態をいいます。
この場合には、 出血や痛みもほとんど消失し子宮も縮小しています。

4)不完全流産

妊娠された内容の一部は排出されていますが、 のこりの一部は子宮内に残留している状態をいいます。
出血が持続し、子宮は収縮していますがやや大きくて、子宮口も閉じていません。
自然流産は大体この状態となり、子宮内容除去術を必要とすることがあります。

5)稽留流産

妊卵や胎芽あるいは胎児がすでに子宮内で死亡しているにもかかわらず子宮内にとどまっている状態です。
性器出血はないか、ごくわずかで無月経が持続します。

6)化学流産

妊娠しないと出ないはずのhCG豊雄バレルホルモンが検出され(通常は尿中) 、検査的には妊娠の成立があったと判断されるのですが、超音波では胎簔などの妊娠したら見られる所見を確認できず、 流産徴候を伴うことなく月経様の出血をみた場合を指します。
体外受精Tなどの不妊治療で着床期を1週間程度過ぎ、たまたま尿中hCGが陽性となってわかる流産です。

流産の原因とは?

初期流産は全妊娠の10~15%にみられ、妊娠12週未満に生じることが圧倒的に多く、なかでも妊娠8~10週の占める割合が多くなっています。
原因は母体側、胎児側などとてもおおくて、臨床上、流産発症の因果関係を個々の症例について明碓に知ることは困難で、原因不明のことが多いようです。
流産例の染色体分析などの研究結果からは、モノソミー(2本あるのが正常な染色体が1本しかないこと)、 トリソミー(2本あるのが正常な染色体が3本あること)のような致死的な染色体異常が流産の主な原因となっていることが多いと報告されています。

I 母体側の原因
1 .子宮の異常
発育不全
奇形
炎症
子宮筋腫
子宮腺筋症
子宮頸部異常

2.卵巣の異常、腫瘍
3. 内分泌異常
4.急性・慢性感染症
5.外傷、外部からの刺激
6.母体合併症(心、腎、肝、糖尿病など)
7.抗リン脂質抗体症候群
8.化学療法
9、放射線被曝
10.精神感動

Ⅱ胎児側
1 .妊卵の異常
病的妊卵
発育異常卵
2.付属物の異常
胎盤機能不全、着床異常
I齊帯異常
卵膜異常
感染

Ⅲ その他
1 .精液の異常
2. 精液の異常

Ⅳ原因不明

流産かなと思ったときに考えるほかの疾患とは?

妊娠初期に出血を訴えた場合、流産のほか、子宮外妊娠、赤ちゃんが異常な胞状奇胎、などを念頭に置く必要があります。
このため、流産と診断して治療した場合に子宮の内容を病理検査することは本当に大事になってきます。
胞状奇胎の場合は、しばらく妊娠期間をあけないといけないので、なるだけ病理検査を受けましょう。

流産しそうなことを知ることができるって本当?

この後どうなるのか予測することを予後判定といいます。

超音波で特に膣からきれいに赤ちゃんが見えるようになったため、予後判定は週数による胎児心拍数でなされているようです。

1)あかちゃんの心拍が検出されるかどうか

胎のうの大きさが経膣法で25mm以上なのにあかちゃんの心拍を確認できない場合や、赤ちゃんが見えない場合、予後不良となっています。
あかちゃん心拍の有無もさることながら、心拍数と流産率にも関係があり、ゆっくりな場合、予後が不良のことがあります。

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妊娠6週30%5%5%未満5%未満
妊娠7週30%10%5%未満5%未満
妊娠8週38%30%15%5%未満

参考文献:プリンシプル産婦人科第3版

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以上、今回もボクがお勉強した内容を書いてみました!
いかがでしたか?
心拍数と流産率に関係があるなんて、びっくりでしたね!
それでは、また!

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医学的な内容を発信するので、仕事でお付き合いのあるお医者さんたちに内容に誤りがないかレビューしてもらうことにしました。

このサイトの医学的内容の監修ドクター
外科専門医 DAIGO 先生
防衛医科大学医学部卒業、防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、各自衛隊基地の医務官を経て外科専門医を取得。専門は一般外科・総合診療。
救急診療医 JOHN 先生
東邦大学医学部卒業、同大学付属分院にて救急診療に従事。

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